女子アスリートのトレーニングの三主徴

■女子アスリートのトレーニングにおける注意点

女子アスリートのトレーニングにとって、注目しなければいけないポイントが3つあります。
この3つのポイントは、必ず抑えなければいけません。
女性アスリートの三主徴とも呼ばれますが、トレーニングの基本的な考え方にもつながります。

1つ目に挙げられるのは利用可能なエネルギーの不足です。
体を絞り上げていくことで、エネルギー不足が生じてしまうのが大きな問題点となりました。
体をシェイプアップしていくことは大切ですが、そのぶん必要なエネルギーが不足してしまう可能性があるからです。
代謝機能のエネルギー不足を引き起こすと、ホルモン機能にも異常をきたす可能性があります。
月経異常や骨粗しょう症などの可能性が高まるため、注意しておかなければいけません。

次に挙げられるのが、機能性視床下部性無月経です。
無月経とは90日以上月経がない状態を指しますが、運動が原因と考えられる運動性無月経をさしています。
視床下部とは、下垂体系の異常が原因となっていることです。
陸上長距離選手に多く見られることでも知られていますが、体脂肪率を極端に下げながら行われる持久性の高い競技は注意しなければいけません。
審美系と呼ばれている新体操なども、可能性が高まります。
体の動きを美しく見せるために、体をぎりぎりまで絞り込み続ければ、リスクは驚異的に高くなるのです。

3つ目が骨粗鬆症です。
加齢とともに起こる症状で注目されましたが、これが女子アスリートに起きる可能性が高まります。
骨の密度が下がってしまう状態で、骨折の危険性が一気に増大してしまう状態です。
運動によって受けるストレスに対し骨が耐えられない状態となりますが、運動量が多く極端な食事制限をかけてしまうとリスクが高まります。
カルシウムの摂取量が重要な意味を持ちますが、特に成長期に注意が必要です。
成長期のカルシウム摂取量が十分でないと、その後に大きな影響を与えてしまいます。
特にジュニア世代での食事には注意が必要と言えるでしょう。

これらの傾向は少しでも見られるようになった場合、体に相当なリスクがある状態なのを理解しなければいけません。
自分一人でトレーニングしていると、それでも突き進んでしまうことが考えられます。
このような状態は客観的な視点から判断を下す必要もあるでしょう。
リスクを抱えたまま競技を続ければ、これから先の生活に影響を与えるかもしれません。
これではトレーニングの価値も下がってしまいます。
そうならないようにトレーナーと共にトレーニングするという選択も必要となるのです。