スポーツによる外傷と障害

スポーツをしている間に起こした怪我の中でも、トラブルにつながったものを外傷と障害と呼びます。
外傷は組織が損傷した状態で、外からかかる力が1回で掛かった状態です。


障害は外傷とは違い、何度も繰り返されている間に組織が損傷しています。
過度の運動負荷によって引き起こされる状態で、疲労骨折などが例となるでしょう。
このように似ているようで全く違う状態です。

スポーツ障害は大人になっても引き起こされる可能性がありますが、成長期の子供たちにも起こる可能性があります。
成長期の子供たちのトレーニングでも十分に注意をしなければいけません。
スポーツ障害になったことが、これからの将来に対し、一生影響を与える可能性もあるからです。

大人でも大きなダメージを受けると、スポーツ障害につながることが指摘されていますが、大人になる準備段階であることを認識する必要があります。
子供の骨格や筋肉の構造は大人を小さくしたものではなく、成長期だからこその特徴を持っているからです。
その一つに挙げられるのは骨の柔らかさです。
大人の骨とは違い、非常に柔らかく、骨折した場合にも違いが出てきます。
若木が折れるような状態になることから、若木骨折とも呼ばれている状態です。

骨が柔らかい代わりに、自然治癒力の高さは思春期の大きな特徴と言えます。
治りが早いということにつながりますが、骨折などをした状態のまま放置してしまえば、変形したまま治癒してしまうことが考えられるのです。
そのため、より一層の早期治療を目指さなければけません。
若いから治るといった考え方は非常に危険であると言えます。
これがスポーツ障害に繋がるのは間違いありません。

骨端線の問題もあります。
大きな問題の一つで、骨の端部と中心部に位置する骨幹部分かれている線のことです。
成長とともに発生していきますが、大人になると消えてなくなります。
骨にできた境目であり、非常に脆い部分になると言えるでしょう。
外傷や障害の起きるポイントでもあり、成長期の子供たちには注意しなければいけません。

成長期に起こりやすい怪我やスポーツ障害は色々と確認されるようになりました。
競技によって起こりやすい怪我の類型なども認識されるようになっています。
代表的なところでは、野球をやっている子供たちの野球肘は有名です。
この野球肘も内側と外側で違いがあり、野球では両方に起こりやすいものの、テニスでは内側、卓球などでは外側と競技によって違います。

スポーツ障害は、子供たちの一生に関わる問題になることもあります。
非常に深刻な問題につながる場合もあるため、トレーニングにも十分注意をしなければいけません。