欠かすことができない睡眠
体を健全な状態に保つためには、睡眠が欠かせません。
女子アスリートの健康状態も同じです。
特に男性とはホルモンの分泌などに違いがあり、身体生理的課題を考えていかなければいけません。
その中で、睡眠が注目されるようになりました。
女子アスリートは睡眠不足
女子アスリートの睡眠は、かなり少ないといわれてきました。
男性に比べて睡眠時間が短い傾向があり、質も男性ほど高くないと報告されているのです。
これは日本だけの問題ではなく、世界的に女子アスリートの睡眠の問題が取り上げられるように変わってきました。
特に抗うつや不安症状がよく見られるのは、女性ホルモンの変化が根底にあると考えられています。
これが睡眠の質に関係している可能性は以前から指摘されてきたからです。
女子アスリートの場合、無月経や月経異常がみられるケースも多く、ここに睡眠が絡んでいる可能性もとらえなければいけません。
特に重度の場合には、睡眠効率が低いと報告されてきているため、パフォーマンスを維持するためにも、睡眠を考え直さなければいけないでしょう。
良質な睡眠に導く
人間の肉体は、睡眠時に修復されていきます。
レム睡眠で体の疲労を回復し、ノンレム睡眠で細胞の修復が行われるのは事実です。
実際にトップアスリートになると、1日12時間の睡眠をとるような選手も現れてきました。
ここまで睡眠時間を確保しなくても、8時間以上の睡眠は絶対条件となりつつあるのです。
良質な睡眠をとる方法はいくつかあります。
トレーニングはできれば就寝3時間前には終わらせます。
自律神経が興奮状態になっていると眠りにつきにくいからです。
さらに、深部体温を下げないと寝つきが悪くなるため、3時間は必要といわれるようになりました。
激しいトレーニングで覚醒状態にするのもよくありません。
こうしたトレーニングは日中に行うのが大切です。
軽いストレッチは睡眠前に適しており、ヨガなどで体を整えて睡眠に入るのもいいでしょう。
リラックスさせることによって、心拍数も落ち着きますし、自律神経のバランスもとれるからです。
ぬるめの入浴も有効ですが、すぐに寝床に入ると深部体温の問題で寝つきが悪くなります。
カフェインもよく知られていますが、アルコールもよくありません。
どうしても興奮状態になるため、できるだけ摂取を控えましょう。
毎日の生活の中で、ちょっとしたことでも睡眠の質は変わります。
アスリートとしてパフォーマンスを保ちたいのであれば、睡眠を見直してみるのが大切です。