競技によって求められる筋肉の質の違い

■競技によって求める筋肉の質が異なる


筋肉は競技によって必要とされる質が違います。
100 m 走の選手が必要とする筋肉と 1万 m を走る選手の筋肉では、パフォーマンスを発揮するための目的が異なるからです。
競技種目 に対して適した組み合わせを考えていかなければ、高いパフォーマンスを発揮することはできません。
トレーニングに関しても、この違いを意識していく必要があるでしょう。

闇雲に筋肉量を増やすことがいいとも限りません。
筋肉量を増やしたところで、動作がうまくいかなければ、競技としての成果にはつながらないからです。
力を出すという面では断面積を大きくすることで対応できますが、 動きに速度が出なければ、競技の成果にはならないでしょう 。
いくら筋肉が大きくてもパフォーマンスにはつながらないポイントです。

ウェイトトレーニングで筋肉を鍛えることは重要ですが、 かける負荷は重すぎても軽すぎてもダメだということになります。
あまりに重すぎる負荷をかければ、速度は落ちてしまうでしょう。
逆に軽い状態で筋肉を鍛えようと思っても、筋肉に負荷を与えません。
スピードと一口に言っても、競技によって違いも出てきます。

注意しなければいけないのは、あまりに体を追い込めば、スピードは落ちてしまいます。
筋肉にばかり力を集中すると、 やはりスピードが落ちることになるでしょう。

重要となるのは、競技として100%のスピードが出せるようにコントロールすることです。
重量を増やしたりするだけではなく、正しい数値を理解し、最適な回数でトレーニングを繰り返して行かなければいけません。
つまり、筋肉を大きくするためのトレーニングと競技の質を高めるトレーニングは全く別物だということです。

さらに筋肉の硬さというところにも注目する必要があるでしょう。
100 mの選手であれば、強く反発できるしまった筋肉が必要です。
1万mの選手になると、強く硬い筋肉よりも、柔らかくしなやかな筋肉を作らなければいけません。
触った時に硬いか柔らかいかではなく、伸び縮みの部分で硬いか柔らかいかを考えなければいけないのです。
様々な研究結果がありますが、単純に押して硬いか柔らかいかで見ると、長距離選手の方が硬かったりします。
その方がタイムが出ていることも研究でわかっているため、 自分が目指す競技に合わせてトレーニングしていかなければいけないのです。
理解が難しい場合には、専属のトレーナーを付け相談しながらトレーニングすると良いでしょう。