スポーツにおいて体を自由に操ることは、パフォーマンスの向上に大きな意味を持ちます。
そのためには筋肉の動きが必要ですが、作り出した力をうまく伝達させるためには、モビリティとスタビリティという二つの要素が大切です。
関節がうまく動かなければ力を発揮できませんが、モビリティは可動性という意味を持つ言葉です。
広く滑らかに動くための状態と解釈することができるでしょう。
柔らかければいいというわけではなく、必要な関節の可動領域を確保することが必要です。
競技によっては、あまり大きな可動範囲が怪我を招くことも出てきます。
もう一つの要素がスタビリティです。
関節安定性という言葉に置き換えることができますが、筋肉を鍛える目的の一つとなります。
体を安定させるための筋肉の鍛え方であり、関節の動きを正しく保つことができる要素です。
ロボットのプラモデルで考えてみましょう。
関節の可動域が大きくなるほど、いろいろなポーズがつけられます。
動きが大きいという言い方もできますが、くねくねと動きがつけられるようになるはずです。
ところが、関節が動いても安定して固定できなければ動でしょうか。
くねるだけで、すぐに転んでしまいます。
関節の安定性がないためであり、動くけれど必要なところで止まる・力を保持してくれなければいけないのです。
これがモビリティとスタビリティの関係と言い換えることができます。
どちらかが優先というわけではなく、どちらも必要な要素です。
ここで考えなければいけないのは、ストレッチをすることは関節の可動領域を広げることです。
可動領域を広げるということは、モビリティを高めることにはなりますが、これだけではいけないということがわかります。
スムーズに体を動かすためには、スタビリティが伴わなければならず、ストレッチとともに筋力トレーニングをして行く必要があるのです。
自分自身がどこの関節をどのように動かしてるのかを理解し、意識してトレーニングをしなければいけません。
この意識的なトレーニングができないと、フィジカルの弱い状態が出来上がってしまいます。
それだけ怪我をしやすい状態を作り上げてしまうため、トレーニングとしてデメリットが生まれることになるのです。
特にフィジカルコンタクトのあるスポーツでは、理解したトレーニングが必須と言えるでしょう。
怪我をしやすいという人も、一度モビリティとスタビリティを考え直してみる必要があります。