水分補給の重要性

以前は野球を含め、水分補給は最小限にとどめるという考え方がありました。
現在の考え方から見れば、脱水症状起こし非常に危険な状態となりますが、当時は当たり前のように行われていたのです。
やかんを持ってきて頭から水をかけると言ったこともありましたが、このような非科学的な方法を取ったとしても、危険を伴うだけで何も得ることがないことに気づいたと言っていいでしょう。

水分補給の必要性という面では、体温を下げる効果が重要です。
運動を行えば、使用した筋肉が発熱し、体温が上昇していきます。
上昇した体温を調節するために、汗をかき気化熱によって下げるように働きますが、自己調節機能だけでは追いつけないことが出てくるのです。
運動強度が高くなった場合に、気化熱で体温を下げようとした血液が、間に合わなかったことで筋肉へ戻ってしまうことが考えられます。
血中の水分量が減少している状態で戻ってくるだけですので、血液はドロドロとなり流れにくくなるだけしか効果がありません。
酸素も少ない状態で、軽く動くだけでもバテてしまう状態が出来上がるのです。
大きな事故にもつながる状態であり、適切な水分補給をしなければいけません。

現在のスポーツトレーニングの考え方からすれば、30分を超える運動するのであれば水分補給が必要になります。
これは休むという意味だけではなく、運動をしながらでも水分を補給して血液の粘性を下げなければいけません。
このコントロールが大切になります。

問題は適切な水分量であり、大量にとればいいわけではない点です。
運動を開始する前に水分を補給することは大切ですが、大量に摂取したことによって体が重くなり動きにくくなることが考えられます。
大量の水の重量によりお腹が痛くなるということも出てくるでしょう。
気だるような感じがするのも、重量による影響と考えられます。

つまり、トレーニングとして考えた時、水分量は適切な量を補給しなければいけません。
運動をした時に減少する体重に対し、3/4の水分量を呼吸することが大切です。
ただし、一度に摂取するのではなく、 数回に分けて補給しなければ体に負担をかけることになります。

喉が乾いてからでは水分補給としては間に合っていないことも注意が必要です。
子供達にもよく見られますが、人間の喉の渇きの感覚は後からやってきます。
かなり遅れていると考えなければならず、水分が欲しいと思った時には手遅れの時もあるのです。
そのため、スポーツトレーニングとして計画的な水分摂取を盛り込んで行かなければいけません。